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フルファネルマーケティングとは? ファネル戦略の策定
フルファネルマーケティングとは、カスタマージャーニーのあらゆるマーケティングチャネルとタッチポイント全体で戦略を立てることを指しています。フルファネル広告がどのようにブランドに役立つかをご覧ください。
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HAQM Adsには、クリエイティブ戦略を策定し、成功につながる広告キャンペーンを始めるのに役立つさまざまなクリエイティブサービスとツールが用意されています。
多くの買い物客の場合、調査と発見が一度に複数のチャネルにわたって行われます。ストアでのショッピング中に携帯電話で商品レビューをざっと見たり、テレビコマーシャルを見ながらブランドのソーシャルメディアフィードやウェブサイトを切り替えて閲覧したりした経験があるのは、あなただけではありません。2022年のPYMNTSの調査によると、米国の消費者の28%は、前回ストアで買い物をしたときにスマートフォンを使用していました。1 また、MagnaとHAQM Adsの調査では、視聴者の63%が、その商品がテレビ番組で取り上げられているのを見ると購入したいという衝動を感じると報告しています。2
モバイルデバイスとソーシャルメディアが至るところにあるため、ショッピングジャーニーは以前より断片化されつつあります。そのため、複数のチャネル全体で認知度と需要を同時に促進するフルファネル戦略の採用が不可欠になっています。
フルファネルマーケティングとは?
フルファネルマーケティングは、ファネルのすべてのレベルを包含しています。「ファネル」と言えば、マーケティングファネルのことを指しますが、これは、お客様が購入までの過程でたどる可能性のある最も単純なジャーニーの概要を示したものです。フルファネルマーケティングはファネルの最上部から始まり、あらゆるレベルでお客様のニーズを考慮し続けます。
フルファネルマーケティングが重要な理由
マーケティングファネルは直線的だが、カスタマージャーニーは直線的ではない
マーケティングファネルのあらゆるレベルで買い物客を考慮することは重要です。買い物客の要望やニーズはたいていそれぞれ違うからです。マーケティングファネルの最上部は認知段階の買い物客を表し、ファネルの最下部は購買段階の買い物客を表します。

アッパーファネルマーケティングとは、ブランドの認知を高める戦略のことです。たとえば、多くのテレビコマーシャルは、まだ商品を必要としていないオーディエンスの間で認知度を高めるように設計されています。ミッドファネルマーケティング戦略では、通常、検討を強化し、カテゴリー内で目立つことに焦点が当てられます。たとえば、ブログコンテンツは、そのカテゴリー内の他の商品と差別化するのに役立ちます。ロワーファネルマーケティングは、購入の可能性を示している購入者の間で購入を促進します。たとえば、「今すぐ購入」のようなコールトゥアクションを使用したリマーケティング広告は、購入者を購入に近づけることができます。フルファネルマーケティング戦略は、認知、検討、購入を同時に構築します。
マーケティングファネルは、オーディエンスにはたらきかけるのに役立つフレームワークです。その一方で、カスタマージャーニーとファネルは置き換え可能な概念ではありません。ファネルは直線的ですが、カスタマージャーニーは認知から検討を経て購入に至るまで直接的に移行することはほとんどありません。
1つとして同じカスタマージャーニーはない
これをわかりやすく説明しましょう。
Sudsという架空の石鹸会社と、2人のお客様のカスタマージャーニーを想像してみてください。最初のお客様は、どんなテレビもスマートテレビに変えてしまうメディアプレーヤーであるFire TVを見ているときに、Sudsの男性向け石鹸「Surf and Sea」のコマーシャルを目にします。たまたま石鹸の予備が切れており、サーフィンが大好きなため、Fire TVを一旦停止して、HAQMモバイルアプリを開き、検索バーに「surf soap」と入力します。Sudsのスポンサープロダクト広告をクリックしてレビューを読み始めますが、友人から今週末のサーフィンに関する電話がかかってきたため、そちらに気を取られてしまいます。Fire TVを一旦停止して電話に出ます。電話を切った後、窓の外に雲に気づきます。お気に入りの天気予報サイトをチェックし、週末の予報が晴れになっているのを見て安心します。天気のページでSudsの「Surf and sea」石鹸のスポンサーディスプレイ広告に気づき、最初に携帯電話を取り出した理由を思い出します。この広告がお客様をSuds「Surf and Sea」の商品詳細ページに再度誘導します。石鹸の予備が切れるのが嫌なので、今後そうならないように「定期おトク便」をクリックし、Fire TVの視聴に戻ります。

この買い物客の購入までの過程は、3つの点で最近の購入過程を示しています。
- スピーディーです。 コマーシャルが始まったとき、お客様はまだSudsを知りませんでした。コマーシャルが終わる頃には、(お客様が登録を継続すると仮定して)リピーターになっています。
- これはマルチチャネルです。 お客様がコマーシャルを見ながら携帯電話を手に取ったとき、認知段階と検討段階にほぼ同時に入ったことになります。
- 直線的ではありません。 お客様は、商品を箱から出して試す前に、登録することを選択した時点で、マーケティングファネルの特定の段階をスキップしています。
一方、別のお客様はまったく異なるカスタマージャーニーをたどる可能性があります。このお客様は石鹸容器の石鹸がもう無くなりそうになっていることに気づき、どうにかしようと考えます。HAQM内の検索バーに「男性用石鹸」と入力し、カスタマーレビューが良好で配送が早い石鹸のカテゴリーを閲覧し始める可能性があります。そして、Sudsを別の石鹸ブランドの商品詳細ページの広告で発見し、広告をクリックして「Surf and Sea」の香りに関するレビューを読みます。その後、Sudsのストアにアクセスし、環境に配慮したサステナブルなパッケージについても詳しく知ります。
このケースでは、お客様は検討段階のファネルに入ります。石鹸が必要であることを知っており、男性向けにブランディングされた商品を好んでいます。カテゴリーを絞り込むと、Sudsが類似商品の中で目を引くことができました。
つまり、ファネルは、お客様の潜在的な購入までの過程において確実にリーチするのに役立つフレームワークですが、ファネルを反映したカスタマージャーニーは稀であるかもしれず、1つとしてまったく同じジャーニーは存在しません。
フルファネル戦略は、より多くのタッチポイントでより多くの買い物客にリーチするのに役立つ
買い物客はどの段階からでもファネルに入る可能性があり、段階をスキップしたように見えることもあります。それにもかかわらず、これら2つの例のそれぞれで、Sudsは、認知、検討、コンバージョンを包含するフルファネル広告戦略によってコンバージョンを獲得することに成功しています。
Sudsがスポンサープロダクト広告に投資し、ブランドの商品検索用語に入札することによってコンバージョンを促すことだけに専念していたら、ショッピングジャーニーが認知度と検討事項の段階から始まる購入者にはリーチできない可能性があります。
Sudsがスポンサーディスプレイ広告の商品ターゲティングなどの戦略に投資することによって検討を促すことだけに専念していたら、カテゴリーを閲覧している購入者にはリーチできても、売場にいない購入者は逃す可能性があります。
SudsがFire TV経由のストリーミングTV広告による認知度の構築に専念している場合、Fire TVの広告を見ているオーディエンスにはリーチできても、検討の段階に入っているオーディエンスにはたらきかける機会は逃す可能性があります。また、上位ファネルキャンペーンと、購入者を商品詳細ページに誘導するリマーケティング広告のような下位ファネル戦術を組み合わせなかったら、購入者へのエンゲージメントを維持できないかもしれません。
買い物客が商品を購入するまでにたどる手順を予測することはできないかもしれませんが、フルファネルアプローチはお客様がいる場所でお客様にはたらきかけるのに役立つカスタマーエンゲージメント戦略のための優れたフレームワークです。
HAQM内でフルファネルマーケティング戦略を構築するための5つのステップ
HAQMはただの小売業者ではありません。お客様は、自宅や外出先でHAQMのプロパティやサービスを利用して、レビューの閲覧、映画の鑑賞、ポッドキャストや音楽の視聴、ライブストリームのフォロー、本の購読、番組の最新情報のチェックなどをしています。朝のランニング中にHAQMミュージックを聴き、Alexaに頼んで夕食用のショッピングリストを作成し、一日の終わりにFire TVのストリーミングでくつろぎます。
購入者が購入までの過程で遭遇する可能性のあるHAQMのタッチポイントは数多くあります。そのため、HAQM Adsは、日々の生活を通じてオーディエンスにリーチするフルファネルマーケティング戦略を構築する独特な立場にあると言えます。
それと同時に、リーチがこのように深く広いため、フルファネル戦略を構築する際にどこから始めるとよいかを判断するのに迷う可能性があります。そのため、このプロセスを5つの簡単なステップに分けました。
1.商品を購入する準備が整っていることを確認する
フルファネル戦略を構築するときは、必ずファネルの最下部から始めて上方向に進むことをお勧めします。たとえば、商品のプロモーション費用を支払う前に、商品詳細ページのスペルミスやコンテンツの誤りがないこと、カテゴリー内の他の商品に匹敵するだけの十分な画像、レビュー、評価があること、おすすめ商品を提示していることを確認してください。販売準備では、これを商品紹介コンテンツ(A+)と言います。
ヒント: HAQM Adsが提供している無料のブランドコンテンツ(Postsやストアなど)を利用することで、商品の販売準備を迅速に(かつ無料で)進めることができます。ストアは、ブランドを展開し、発見を促進するためのランディングページです。Postsは、魅力的なライフスタイル画像を通して商品をお客様にアピールする機会になります。

2.購入する可能性が最も高い買い物客にリーチする
商品詳細ページをコンバージョン用に最適化したら、購入の促進を狙った戦術を試すことから始めてください。たとえば、高い意図を示すブランド検索用語(「Suds surf soap」など)を使用して購入者にリーチするスポンサープロダクト広告や、スポンサーディスプレイ広告を使用して商品詳細ページを閲覧したオーディエンスに対するリマーケティングをお勧めします。
ヒント: リマーケティング広告は、お客様が時間を費やすあらゆる場所に表示されるため、この戦術は商品を最初に思い浮かべるものにするための優れた方法です。潜在的なリマーケティングオーディエンスの総数は商品詳細ページを閲覧したオーディエンスの規模によって異なるため、プライムデーやホリデーシーズンなどの重要な売上時期(商品詳細ページのページビューが増加した可能性がある)の後のリマーケティングを検討してください。

3.カテゴリー内でアピールする
商品の販売準備が整い、コンバージョン用に最適化されたら、ブランドをカテゴリー内でアピールし、類似商品と差別化するのに役立つ可能性のある広告タイプに投資することをお勧めします。これを売場の確保と言います。たとえば、石鹸会社は、スポンサーディスプレイ広告の商品ターゲティングを使用して、関連性の高いカテゴリー(石鹸など)、類似商品(同業石鹸ブランドなど)、または補完商品(シャンプーなど)を閲覧している購入者にリーチすることができます。
ヒント: 新しく発売した商品がある場合は、商品ターゲティングを使用して自社の商品ページで掲載枠を表示し、買い物客が新商品を認識するようサポートすることもできます。

4.ブランドを構築する
売場を持っているという実感がわいたなら、HAQM DSPやスポンサーブランド広告を通した動画広告やディスプレイ広告などのプロダクトで検討を促進することをお勧めします。この段階では、より広範な商品検索用語(「石鹸」など)に入札し、インマーケットオーディエンスにリーチすることを検討してください。インマーケットオーディエンスは、その買い物パターンが商品に興味・関心がある可能性があることを示唆しているオーディエンスのことです。
ヒント: スポンサーブランド広告を使用して、ストアページへのトラフィックを促進し、検討段階にいる買い物客にブランドストーリーや商品について知ってもらうことを検討してください。

5.リーチを拡大する
フルファネルキャンペーンの最後のステップは、認知度の向上です。HAQM DSPは、関連性を損なうことなく、複数のチャネル(ディスプレイ、音声、およびオーバーザトップ動画を含む)全体でリーチを拡大するのに役立ちます。HAQM Adsオーディエンスビルダーを使用すると、ライフスタイル(ジープ愛好家など)、ストリーミングの好み(Prime Videoで最近ストリーミングされた映画「ソウルサーファー」など)、ルックアライクオーディエンス(HAQMフレッシュのルックアライクなど)に基づいてオーディエンスを定義できます。
ヒント: 音声広告とストリーミングTV広告を組み合わせて、画面の向こうにいるオーディエンスや自宅にいるオーディエンスにリーチすることを検討してください。
ポイント: フルファネル戦略は複雑にしなくても十分な効果を発揮する
HAQM Adsでフルファネル戦略を利用することにより、ショッピングシグナルを使用してキャンペーンをより強力にし、そうでなければリーチしにくいオーディエンスにはたらきかけることができます。特定の種類の映画を最近ストリーミングしたオーディエンスに化粧品ブランドをすすめたい場合であれ、アレルギー患者の助けになる空気清浄商品を新発売したい場合でも、フルファネルのHAQM Adsソリューションは、オーディエンスがショッピングジャーニーのどの段階にいても、どのオーディエンスともつながるのに役立つように構築されています。成果を生み出すフルファネル戦略を管理するために、膨大なマーケティング予算や大規模な代理店チームは必要ありません。
フルファネルマーケティングの4つのメリット
フルファネルアプローチをおすすめするのは、多種多様なカスタマージャーニーに対応するのに役立つからです。ファネルの単一段階(購入の促進など)や目標(広告費用対効果(ROAS)など)に焦点を合わせるよりも、HAQM Adsのフルファネルアプローチを採用するほうが役立つ理由は以下のとおりです。
何よりも、フルファネル戦略は複雑にしなくても十分な効果を発揮します。多くの広告主様が、スポンサー広告とディスプレイ広告を組み合わせることから始めて、結果を出しています。認知度を高める準備ができたら、ストリーミングTV広告や音声広告などを追加してみてください。
わかりやすくするために、以下のメディアミックスを修正フルファネル戦略と呼びます。 スポンサープロダクト広告やスポンサーブランド広告と、スポンサーディスプレイ広告やHAQM DSPによるディスプレイ広告。ストリーミングTVも含む修正フルファネルアプローチを包括的フルファネルアプローチと言います。
達成するのに修正または包括的フルファネル戦略が役立つ可能性のある4つの目標を以下に示します。
1.新規オーディエンスにリーチする
ブランディングだけに集中することがブランド新規顧客による売上を伸ばすのに最適な方法だと思っているのであれば、考え直してください。すぐに購入する購入者はほとんどいません。アッパーファネル戦術とロワーファネル戦術を組み合わせることは、最初に思い浮かべるブランドであり続けるのに役立ちます。
2.検討を促す
HAQM Adsには、スポンサーブランド広告やストリーミングTV(STV)広告など、検討を促進して、ブランドが自社商品を同じカテゴリーの同業他社商品と差別化するのをサポートするように設計された多様なプロダクトがあります。また、ブランド構築戦術は、バランスの取れたマーケティング戦略の一部となります。アッパーファネルマーケティングとロワーファネルマーケティングをマーケティング戦略に組み込んでください。たとえば、スポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告を組み合わせます。
3.売上を促進する
多くの広告主様が、売上を伸ばすための最良の方法はパフォーマンスマーケティングであると信じていますが、フルファネルアプローチのほうが効果が上がる可能性があります。ファネルの購入段階を超えて戦略を拡大することは、新しい買い物客に積極的にはたらきかけ、長期的に売上を伸ばすのに役立ちます。
4.ロイヤルティを構築する
マーケティング担当者の中には、ロイヤルティをファネルの別個の段階として捉えている人もいます。しかし、ブランドロイヤルティを別個の戦術として追求するのではなく、フルファネル戦略に投資することがブランドのリピート購入を促すのに役立つ可能性があります。顧客生涯価値を高めようとしているなら、フルファネルアプローチがお客様との長期にわたる関係の基盤となる信頼を築くのに役立つ可能性があります。
ファネル全体の効率を高めるのに役立つフルファネル戦略
フルファネルマーケティング戦略を採用すると、ROAS向上の見込み、売上拡大の見込み、認知度と購買意図の構築など、ファネルのあらゆる段階でより強力な結果につながる複合効果が見られる可能性があります。フルファネルマーケティングに精通していない場合は、修正フルファネル戦略から始めて、包括的フルファネル戦略に移行してください。
ご利用経験が限られている場合は、お問い合わせいただき、HAQM Adsが管理するサービスをリクエストしてください。最低予算が適用されます。
1 PYMNTSおよびCybersource、米国、2022年
2 MagnaおよびHAQM Ads、The Converging Worlds of Content and Commerce、米国、2022年